荒療治は危険な香り
第1セレクション。 課題は華やかなるものだった。 毎日毎日一生懸命に練習したガボットは完璧だった・・・はずだった。 練習と本番は違う。 本当はどんなに弾けたってどんなに実力があったって、人前でそれを発揮できなければ意味がない。 柚木にずっと言われていたはずだったのに。 『人前で練習するのは大切な事だよ』と。
それでも頭ではわかっていても初心者の 香穂子はなかなか踏み切れずにいた。 『あんな演奏で、よくコンクールに選ばれたわね』 『あの音・・・。幼稚園児以下じゃない』 音楽にさほど精通していない普通科の生徒の前でだって緊張するのに、コンクールという晴れ舞台に選ばれた妬みからか、音楽科の生徒達からの視線は痛かったし、柚木の親衛隊からあからさまに浴びせられる言葉もまた辛いものだった。 余計に人前での演奏が出来なくなる。
下手だから人前で練習するのに、『下手なのに人前で練習するなんて・・・』と、
香穂子は二の足を踏んでいた。 その結果が第1セレクション第7位。 別に最下位なのは予測していたことだった。 それはさほど気にしてはいない。 問題は順位ではなく演奏。 舞台に立ってスポットライトを浴びて客席を見ると言い知れぬ威圧感を感じる。 皆があたしを見てる。 その視線に身体は震え、第一音が刺々しく響いた。 真っ白な頭で何もまともに出来ずにたどたどしく、ただ音符の羅列をなぞっただけだった。
冬海も帰りたった一人になった控え室で衣装もメイクもそのままで、 香穂子は一人泣いていた。 不甲斐なかった。 素人だから・・・。 そんなものは言い訳にもならない。 きっとあの人を失望させた。 いつも暖かく微笑んで優しい言葉をくれるあの人・・・。 彼は完璧な演奏をして見事に第一位に輝いた。 柚木梓馬。 彼は華やかで優美で温かな演奏をする人だった。 何度柚木の言葉に救われたか。 いつも自分を気にかけてくれて、いつでも自分に微笑んでくれる。
そんな柚木に 香穂子は仄かな、でも確実な恋心を抱いていた。 だからこそあの人の期待に応えたかったのに・・・。
コンコンとノックの音が響く。
香穂子はびくっとし、涙を拭った。 「は、はい」 泣いていたなんて悟られないように元気な声を出さなくては。 でも、その思いとは裏腹に出てきた声はひっくり返り、掠れていた。 「いいかな?」 優雅な足取りで入ってきたのは、今最も逢いたくなかった柚木その人だった。 「柚木、先輩・・・」
香穂子は赤い目を隠すように俯いた。 「君が、気落ちしているんじゃないかと思って・・・」 今は、慰めの言葉も辛い。 柚木からなら尚更だ。 柚木はまだタキシードのままで、椅子に座った。 「平気、です」 「嘘が下手だね」
香穂子は何も言えなくて、俯いたまま唇を噛んだ。 「実力を発揮できないっていうのは、人の目に慣れていないからだよ」 「・・・はい」 「・・・荒療治、してみる?」 「え?」
柚木の言葉に 香穂子は顔を上げた。 暖かく微笑んだ柚木。 「どうにか、なるんですか?」 「それはやってみないとわからないな」 「先輩が何とかしてくれるんですか?」 柚木は頷いた。 「でも、僕だけじゃ駄目なんだ。君ももちろん協力してくれるよね?」
確認するようなその言葉に、 香穂子は頷いた。 「もちろんです。自分の事ですから」 「いい返事だね。・・・やっぱり君は可愛いな」
その言葉に、 香穂子は頬を赤らめた。 柚木は椅子から立ち上がるとドアに向かって歩いて行き、鍵をかけ電気も消す。 「・・・先輩?」 「邪魔されたくないからね」 電気は消えても日没まではまだ時間があるため、控え室の中は明るい。 先輩は何をするつもりなんだろう・・・。 荒療治と言っていたけれど、いったいどんな事を・・・。
香穂子の胸は高鳴る。 曲がりなりにも大好きな人と二人きりなのだ。 パチンと硬い音がして、鏡の周りに付いた照明が目に染みるほど明るく光った。 「こっちにおいで」 にっこりと微笑んだ柚木は鏡の前で手招きをする。
香穂子はガタンと椅子から立ち上がり柚木の元へ歩み寄った。 「自分を見てごらん」
香穂子は鏡の中の自分を見つめた。 ホルターネックの青いドレスを着ている自分は、ものすごく情けない顔をしている。 後ろからすっと柚木が近付いたかと思うと、首筋に軽くキスをされた。 ぴくんと身体が跳ねる。
香穂子は驚いて振り返り柚木を見つめた。 「前を向いて。きちんと自分を見ていて」 「でも、先輩・・・」 「協力、するんだよね?」 にっこりと微笑み念を押すように言う。 柔らかな笑みなのに、何故か絶対的な圧力がある。 先輩があたしを悪いようにするわけない・・・。
香穂子は僅かな不安を持ったまま鏡に向き合った。 するっと首筋のリボンが解かれる。 「先輩っ!?」
反射的に胸元を押さえると、流石に香穂子は抗議の声を上げた。 「悔しくないの?あのままで。自分が変わるつもりはないのかな?」 微笑んだ柚木は悪魔のように見えた。
柚木に対してそんな印象を持ったのは初めてのことで、香穂子は自分の勘違いだと自分に言い聞かせる。 「いい子だから・・・ね?」
こくりと 香穂子は頷いた。 でも、正直なところは混乱している。 どうしてこんなことをするのか。 柚木の言う『荒療治』のためだけなのか。 それとも・・・。 スッと肌蹴た胸元に柚木の手が入ってきて、揉み上げる。 「・・・っ・・・」 恥ずかしくて、泣きそうだ。 「ちゃんと鏡を見て」 「でも、・・・っはぁ・・・」 ブラジャーの中にまでその手は進入してきて硬く立ち上がった頂を弄んだ。 「可愛いね。もう、こんなにして」 左手でブラジャーのホックを外す。 肩紐のないブラジャーをしていたため、外されたそれはパサリと乾いた音を立てて床に落ちた。
それをいいことに柚木の両手は背後から 香穂子の柔らかく形の良い両胸を揉みしだく。 やわやわとそれが自分の手の中で姿を変えるのを楽しむように、柚木は先端も万遍なく刺激した。 「・・・あっ・・・先輩・・・」
香穂子はどうしていいのかわからなかった。 好きでもない人ならもちろん力の限り抗うだろう。 でも、相手は好意を持っていた柚木。 嫌だ、とは思わない。 それでも今の状況に混乱はしていた。 どうしてこんな事になっているのか。 そして、これを恥ずかしいと思いながらも心地よいと感じている自分に。 「綺麗な、顔だね」 「そんなっ・・・」
香穂子は顔を逸らした。 「ほら、ちゃんと自分を見て」
香穂子はおずおずと視線を鏡に合わせた。 頬を染めて涙目になって、熱い吐息を漏らしている自分。 「ね?色っぽいよ、すごく。普段、僕を探して学院中走り回っている元気で可愛い君が、こんなに婀娜っぽくてイヤラシイ顔するなんてね・・・」 「どうして・・・」 どうしてあたしが先輩を探して走り回っているなんて知っているの?
香穂子はそう聞きたかったのに、頭と舌が回らなかった。 しかし柚木はそれを察したらしく微笑んだ。 「ああ・・・そんなの君を見ていればわかるよ。勘はね・・・いい方なんだ」 すると柚木は意地悪そうに笑う。
そしてそのまま香穂子の顔を自分の方に向けると深く口付けた。 ぬるっと舌が入り込み口内を味わいつくす。 「・・・ん・・・っ」
香穂子がそっちに集中している隙に、柚木はシフォンのたっぷりとしたスカートの中に手を入れ、下着の上から
香穂子の敏感なところを触った。 「んんっ・・・」 初めての感覚にびくっと身体が跳ねる。 「すごいな・・・。もう下着もぐっしょりだ。ねえ・・・、そんなに感じたの?」 耳元で柚木がふふっと笑った。 「違っ・・・」 「違うんだ・・・。じゃあもっと感じさせてあげないとね」
楽しそうに柚木はそう言うと、下着の中に手を入れて、 香穂子の中に指を埋め込んだ。 「んっ!はあっ・・・」 「物凄く濡れているけれど、君はまだまだなんだよね?」
クチュクチュと音をさせて、柚木の指が 香穂子の中で蠢いた。 「ああっ・・・あっ、せんぱ・・・」 内腿がガクガクとしてとてもじゃないが立っていられない。
香穂子は鏡台に手を着いた。 「もう、いいかな?」
その言葉とともに穿った指を引き抜くと 香穂子の下着を一気に下ろし、自身を取り出した。 たっぷりとしたスカートを捲り、その熱く滾った物を後ろから押し当てる。
香穂子の愛液を塗したそれで入り口付近を何度も擦り上げた。 「あっ、やっ・・・先輩・・・」 初めてなのに、そこが疼く感覚。 柚木が欲しいと強請りそこはひくついた。 「嫌?そう・・・。僕は君を感じさせてあげたかったんだけれど・・・。僕だって君が欲しいしね。でも、君が嫌ならもう止めるよ」 えっ!?
香穂子は落胆する。 嫌じゃない。 本当は先輩が欲しいのに・・・。 「嫌・・・」
香穂子は蚊の鳴くような声でそう言った。 「嫌?何が嫌なの?するのが嫌?しないのが、嫌?」
香穂子は泣きそうな顔で言う。 恥ずかしくて仕方がない。 「・・・しないなんて、嫌です・・・。先輩が、欲しいです」 すると柚木はうっとりするほど美しく微笑んだ。 「素直な子は、好きだよ」 そう言うと柚木は背後から一気に突き立てた。 「ああぁぁっ!!」
あまりの痛みに 香穂子は悲鳴を上げた。 「ごめんね。痛い思いをさせて。ベッドでなら優しくしたのだけれど・・・」
そう言うと柚木は 香穂子の最も敏感な部分に触れた。 「んっ・・・はぁっ・・・」 痛くてたまらないのに、柚木に触れられたそこから腰が蕩けそうなほどの快感が広がる。 「僕が好き?」 耳元で囁かれる。
香穂子はコクンと頷いた。 柚木はゆっくりと腰を動かし始める。 「あっ、はぁ・・・ん」 痛くないわけじゃない。
でも、それ以上にこんな事をしていると言う事実が 香穂子を興奮させ、その空気に酔っていた。 「可愛い顔してるよ。ほら、ちゃんと鏡を見て」
香穂子はそう言われると恥ずかしくて、顔を背けた。
香穂子は小さく頷いて、そろそろと自分を見た。 女の顔の自分。
「思い切りイヤラシイ『 日野 香穂子』を僕に見せて・・・」 柚木の熱い声が耳を嬲る。
それは魔法の言葉の様で、 香穂子の身体をますます熱くした。 柚木はさっきよりも強く早い律動を繰り返す。 「あっ、んっ、ああっ・・・」
ぐちゅぐちゅと音をさせて柚木は 香穂子の内部を刺激し続け、両の乳房を揉み上げた。 「ん、ふっ・・・気持ちイイ・・・あっ、あっ・・・」 ぐっと、柚木が刺激を与える重点を変えた。 「ああっ!あっ!はぁ・・・んっ」 さっきよりもダイレクトな快感。 脳が痺れる様な・・・。 「んんっ!ひゃっ、ぁんっ・・・先輩っ、あっ、ああっ!」 「ここが好きなんだ・・・」
柚木はそう言うと 香穂子の華奢な腰を掴んで一気にそこを攻め立てた。 「ああっ!んっ!あっあっ、んんっ」 もう、頭がくらくらする。 初めての限界が近い。 「んんっ、もう、せんぱっ・・・あっ、ああっ」
グチュグチュッとイヤラシイ音を立てて柚木は 香穂子を追い上げた。 「・・・僕が好き?」
二度、そう聞かれて、 香穂子は快感に朦朧としながらも答えた。 「あっ、あぁんっ!好きっ、先輩がっ、好きっ!んっ、ぅん!」 鏡越しの柚木は微笑んだ。 「・・・本当の僕を知っても?」
香穂子は何を言われているのか解らなかったが、頷いた。 「好きっ!あっあっ、も、だめぇっ!」 「・・・いいよ。僕もイクから・・・」
柚木は 香穂子の内部を細かく早く突き上げだした。 「あっ、ああぁぁっん!あっ、あたしっもうっ!」 内壁がヒクヒクと柚木を締め上げる。 「あっ、ああっ、はぁっ!あっあっ、ああぁぁぁああんっ!!」
香穂子は白い咽喉を仰け反らせ、達した。
「・・・ 香穂子・・・」
柚木は苦しげにそう言って、 香穂子の最奥に自身を解放した。 「ん、はぁっ・・・せんぱ、い・・・」
香穂子は一言そう言うと、床に崩れた。 「・・・少しずつ、本当の俺を教えてやるよ・・・」 最後にそんな言葉を聞いた気がした。
「気が付いた?」 にっこりと微笑む柚木。
そのあまりの上品さにさっきの事は夢だったのかと 香穂子は思った。 「初めてだったのに無理をさせてしまって、悪かったよ」
その言葉にやっぱり夢ではなかったのだと 香穂子は頬を赤くした。 「立てるのなら、帰ろうか?もちろん送っていくよ」 「ありがとうございます・・・」
柚木の腕に捕まって 香穂子は立ち上がった。 柚木は彼女を支えるために腰に手を回した。 今はまだ、優しい先輩でいてやるよ。 ニヤッと柚木の美貌を一瞬彩った本当の貌。 少しずつ少しずつ本当の俺を教えて、気付いた時には雁字搦めにしてやるよ。 柚木は玩具を手に入れた悪魔のように笑った。
白柚木攻めですよvv優しい先輩のふりで香穂ちゃん翻弄vv
気付いた時には雁字搦め・・・香穂ちゃんゲットの大きな第一歩に萌えまくりましたvv
こちらの素敵小説を創作なさったサイト様は
「HALF BITTER CHOCOLATE」様です。
LINKページから飛ぶ事ができますvvv
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